米津玄師アンビリーバーズの歌詞と意味
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最終更新日:2016/10/08
米津玄師
2015年9月2日にリリースされた「アンビリーバーズ」は、米津玄師のメジャー4枚目のシングルCDです。
同シングル3形態の初回生産分には、2016年1月から行われる全国ライブツアー「米津玄師 2016 TOUR 音楽隊」のチケット先
行抽選受付シリアルナンバーが封入されています。
アンビリーバーズのオリコンでの過去最高は4位 (2015年09月14日付)です。
題名「アンビリーバーズ」(unbelievers)は英単語で意味は不信仰者です。
何を信じていないのでしょうか?
歌詞を見ると
・今は信じない 果てのない悲しみを
・今は信じない 残酷な結末なんて
・今は信じない 果てのない悲しみを
歌詞の中では3度信じていないを繰り返しています。
たとえ重荷を背負っても 「果てのない悲しみも、残酷な結末」 も信じていないのです。
従って、この歌では宗教的な信仰ではなくて、「未来の不幸な定め」決っして信じないという意味です。
そこから歌詞全体の意味、言いたいこと を要約すると以下のポジティブなことになります。
「誰に何を言われようとも、どのような仕打ちを受けても暗い未来など信じないで、何度でも這い上がっていこうぜ。
仲間とシャングリラを目指していこうぜ。」
この曲は聞き手にストレートに米津の思いをぶつけてきているので、多数の若い人達の好感を得ているようです。
ZIPの若い女性へのインタビューでも、「米津の歌を聞くと勇気づけられる」と答えが返ってきています。
米津玄師の楽曲アイネクライネの「あたし」もこのように生きるアンビリーバーズな彼氏が表れて救われています。
「あたし」の悲観的な思いを 彼はすべて残酷な結末は信じないと否定し、さらにみんなで手を取り合ってシャングリラに行こうぜと言ってくれたのでしょう。
最近の米津玄師には「変わらなければならない」という考え方があるそうです。
それでこの曲は自分で制約を設けて作ったとのことです。
ギターを使わず、ビアノを基調に打ち込みで完結させたのです。
更にこの曲では「否定による肯定」ということの表現に挑戦しています。
米津玄師は何かを肯定するにはそれ以外のものを否定する必要があると考えています。
否定による肯定の曲だから、一歩間違うとすごい怒りとか不安とか、そういう感情が肯定を侵食してしまう感じがあって。
そのバランスを取るのがすごく難しかったとのことです。
悲観的な結末や悲しみは信じない。みんなで手を取り合ってシャングリラをめざせば未来は開ける筈だといみごにポジティブな曲になっています。
凄く現実的な曲で今の世相をするどく反映しているのではないでしょうか。
米津玄師は方向としては今は希望に満ちたものをやりたいし、これから先、未来のある子供たちに向けて「大変だろうけどいいこともいっぱいあるよ」って言ってやるべきなんだろうなと、すごく思っているとのことです。
「何かを信じなければならない。何かに向かって、自ら能動的に行動していかなければならない。
そう考えると自分みたいな人間は“アンビリーバー”なんだろうと思うんです。」と米津玄師は言います。
“アンビリーバー”というと?
「つまり何かを信じない者。そのままでは何かを信じないけれど、それ以外のものを否定することでその何かを信じざるを得な いようにするというか。
そういう面倒くさい手順を踏まなければ生きていけない人間なんだろうなっていう実感があって。
この曲は「アンビリーバーズ」っていうタイトルから作ったんですけど、自分の本質的な部分をすごく正確に表した曲だなと
思っています。」
と米津玄師。
やはり、「アンビリーバーズ」の歌詞の根底にあるのは、ニヒリズムの否定だったようです。
米津玄師は誰にもでもわかるように小学生でも理解できる言葉で「否定の肯定」を表現するのは大変だったとコメントしています。
社会の成功者は未来が暗いことを信じないで成功に向かって努力しているのです。
この間の対南アフリカ戦で歴史的勝利をしたラグビーもそうでした。
面白いのは、絶対のアンビリーバーだったはずのエディヘッドコーチが南アメリカに勝った瞬間にいった言葉です。
「アンビリーバボー!! 夢みたいだ!!」通訳の佐藤が聞いたのです。このエディの言葉を。
南アフリカのような世界的強豪チームに勝つためにエディヘッドコーチは科学的トレーニングと、世界一の猛練習を選手に課してきたのです。
エディこそ日本ラグビーは世界に負けないという絶対のアンビリーバーでした。
南アフリカ戦の前日にもエディは言いました。
「あくまで勝たなければいけない。その方法を探るわけなのですが、我々はハイテンポでボールを動かします。それを遂行する勇気も必要です。すると、強豪相手にも追い込めます。明日は南アフリカ代表の練習試合にはさせない。」
そのエディから南アフリカ戦で31対32となった終盤に 同点狙いのPGの指示がでてきました。
ところがすでに「絶対のアンビリーバー」はエディから選手達に乗り移っていました。
キャプテンをはじめ選手たちはエディの指示を無視しました。
逆転勝利のためのスクラムを選択したのです。
南アフリカに勝った瞬間エディはいいました。
「アンビリーバボー!! 夢みたいだ!!」
試合後、五郎丸は言いました。
「必然です。ラグビーに奇跡なんてないです。」
日本のラグビーチームは南アメリカに負けるなんて信じないで勝つための練習に明け暮れて勝てたのです。
PVには、米津自身が描いたオオカミのイラストがぬいぐるみの形で再現されています。
ヘッドライトや月明かりの中を踊りながら爪痕を残していき、日の出とともに消されていきます。
オオカミはニヒリズムの象徴なのでしょうか?
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