浅野 雅己の大逆転劇とは?撚糸工法とブランドの開拓まで
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最終更新日:2018/08/30
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2018年8月30日のカンブリア宮殿は岐阜県安八町で1967年に創業された浅野撚糸の浅野 雅己社長の大逆転劇の全貌を紹介します。
安価な海外製の製品に押され、廃業する町工場があとを絶たない中、オンリーワンの商品を創り出し、復活を目指す町工場があります。
浅野 雅己は2代目として35歳で社長に就任しました。
最先端の機会を次々と導入し大手から受注し最高売り上げ7億3000万円を達成しました。
もっと儲かると思ってゴルフ会員権、セルシオを買ったりしてました。
2000年代、大手企業は生産拠点を中国に移しました。
浅野撚糸は仕事が減り、7億円あったうりあげが2億円となり廃業の危機に貧しました。
浅野 雅己はオリジナルの撚糸を開発して生き残る道を模索します。
撚れるものは何でも撚る狂気の開発が始まりました。
自分たちにしかできない技術を磨くことに専念し、糸に空気の層を作る撚糸工法「ミラクルエアーツイスト」を開発しました。
撚糸とは種類の違う意図をねじり合わせてできる新たな糸のことです。
浅野撚糸は新たな糸スーパーゼロを作り出しました。
この糸を使ってタオルを商品化するまでに4000枚以上試作し、完成にこぎつけました。
現在累計販売枚数600万枚超を誇る、大人気タオルを作りあげたのが「浅野撚糸」です。
カンブリア宮殿は浅野撚糸 町工場の大逆転劇の全貌に迫ります。
エアータオルの誕生とブランド化
浅野撚糸は下請けから脱却するため、
2003年から、まずは浅野撚糸にしかできない“伸び縮みする糸”を求め、開発に励む日々が始まりました。
クラレが開発した水溶性の糸をいろんな糸より合わせることを何百回と繰り返しました。
2年後浅野撚糸株式会社が2005年にクラレトレーディングと共同開発したのが、糸に空気の層を作る撚糸工法「ミラクルエアーツイスト」でした。
綿糸のファイバー一本一本の間に空隙ができ、ふわふわした感覚とボリュームを実現した糸です。
問題は「糸だけを売ろうとしても、なかなか商売に結びつかない」のが現実でした。
メーカーへ売り込んでも門前払いでした。1000件以上は回ったと言います。
糸の特徴を生かす製品を作り、その感触を消費者に直接伝えていくためにはどうすればよいか。
2005年10月、取引銀行主催の企業マッチングでおぼろタオルと出合い、中国が真似できない世界に通用するタオルをめざすことで合意しました。
おぼろタオルは三重県津市に拠点を置く創業100年を超える老舗タオル 製品製造業者です。
おぼろタオルも倒産の危機に陥っていました。
2005年11月ダメもとで浅野はおぼろタオルを訪ねました。
浅野は断られてばかりだったので期待していませんでした。
加藤社長が「この話お受けしようと思うんです」と言いました。
じり貧だし、可能性のあることはやっていかなければいけないと思っていました。
おぼろタオルでのタオルの製造も大変でした。
タオルに糸をかけてみる。何回やってもすぐに伸縮性が強い糸は絡まってしまうのです。
「こんな難しい糸なんか持ってきて。」と何度もわめかれたとか。
それでも最終的には『絶対に成功させるから。ねばってくれ。』と声をかけてもらい、糸が切れるシーンをカメラで回し続けて、原因を見つけては改善させていきました。
糸にスチームをかけることで伸縮性を改善する試みに挑戦すること300回ついに改良版スーパーゼロが完成しました。
構想より2年後の2007年、約4000枚ものタオルを試作のうえ、ようやく魔法のタオル「エアーかおる」が誕生したのです。
完成したタオルを問屋にもっていくと、1枚1000円のタオルが売れるか?と言われました。
自分で売ろう!!ブランドを作ろうと思いました。
1か月間100軒営業回って売れた枚数50枚でした。
それも親戚と社員でした。
ある問屋が「浅野さんしんどいよね。このまま営業をしていても。ビッグサイト行こう」と言いました。
3年間展示会に出し続けたら超一流企業が全部採用してくれました。
2007年5月、ようやくファミリアへの採用が決まりました。
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この商品の良さが世間に理解されるまでに時間は長くかかったが、テレビショッピング1時間で七千万円もの売上実績をあげるほどの偉業をなした。
軽量感・吸水性の良さ・乾燥時間の速さ・ふわふわ感の持続力・毛羽落ちの少なさという5大特徴が大ヒットの秘訣だろう。
「エアーかおる」は今や浅野撚糸の代名詞です。
「リピーター率は90%です。」と社長は断言した。
特許を10件もち、加工賃や納期などの決定権は浅野撚糸が8割持っています。
浅野撚糸のエアータオルの特徴
デパートでの実演会で、普通のタオルとエアーかおるに色水をかける実演会をします。
普通のタオルからは吸いきれない水がどんどんあふれ出ていきますが
エアタオルは全部の水を吸収していきます。
1本1900円ですが見た人はびっくりして、多くの人がエアーかおるを購入していきます。
月10万本を販売しています。
浅野撚糸のミラクルエアーツイスト撚糸は綿糸のファイバー一本一本の間に空隙ができ、ふわふわした感覚とボリュームを実現したものです。
通常の無撚糸は元の紡績糸の10~20%の撚り数になり毛羽落ちしやすくなります。
ミラクルエアーツイスト撚糸は撚り回数が元の紡績糸とほぼ同じであり、その分、毛羽落ちしにくく、ふっくら感が持続するという画期的な糸なのです。
エアーかおるは一般的なタオルより、吸水性、速乾性は1.5倍、洗濯をしてもボリューム感がなくならず、毛羽落ちも少ない優れものなのです。
価格は決して安くありませんが、愛用者に聞くと「一回使うと離れられない。普通のタオルは使えない」と口を揃えます。
累計販売枚数600万枚超を誇る、大人気タオルを作りあげたのが「浅野撚糸」です。
番組では浅野 雅己社長がエアーかおるの水の吸い取りを実演して見せました。
水に触れているだけで水を吸い取ることがエアーかおるの特徴です。
長持ちして10年間2000回洗濯しても使っているとか。
浅野撚糸の次の技術は
浅野撚糸「特殊撚糸工法」は紡績糸(綿、ウール等の天然繊維)やフィラメント(ポリエステル、レーヨン等の化学繊維)と水溶性糸(熱湯に溶ける糸)をこの新工法で一緒に撚り合わせることで、
空気の層を持つ新しい糸が作られ、伸縮性、通気性、耐久性、ふっくら感、吸水性、保温性、速乾性、軽量感等の優れた機能を付加した繊維製品づくりを可能にしました。
例えば、タオルは吸水性で従来品の2倍、同じボリュームのものであれば2/3に軽量化でき、
ふっくらとした風合いのある毛羽落ちの少ない耐久性があるタオルづくりを可能にしたのです。
平成25年9月にはエアーかおるに採用している「特殊撚糸工法」が、第5回ものづくり日本大賞【伝統技術の応用部門】において、「経済産業大臣賞」を受賞しました。
内閣総理大臣表彰「ものづくり日本大賞」は、日本の産業・文化の発展を支え、豊かな国民生活の形成に大きく貢献してきたものづくりを着実に継承し、さらに発展させていくため、製造・生産現場の中核を担っている中堅人材や、伝統的・文化的な「技」を支えてきた熟練人材、今後を担う若年人材など、ものづくりの第一線で活躍する各世代のうち、特に優秀と認められる方々を顕彰する制度です。
最近、浅野撚糸が新たに開発したのは水溶性糸と特殊合撚技術を活用し、通常の糸に比べ約43%以上も膨らみ(バルキー性)がある超無撚糸「super zer0(スーパー・ゼロ)」です。
「ここまでハイバルキー性がある糸は世界初」であり、国内外で特許も申請しました。
スーパー・ゼロは、紡績糸と水溶性糸を合わせ、紡績糸の逆方向に200%の撚りを加えた後、水溶性糸を溶解します。
エアーかおるのように織り、編み、製品の段階で水溶性糸を溶解させるタイプではなく、糸段階で溶解させ「これまでの発想ではなかった」ものなのです。
溶解後の糸は「過小に評価」しても約43%以上のハイバルキー糸となります。
空気を多く含み、見た目以上の軽量感があるとともに、わたに透き間ができることで、その透き間が膨らみを持たせ、柔らかい生地になり、防シワ機能を持つとともに、洗濯後の方がより膨らみや柔らかさが増す。
繊維間に空気を保持することで保温力や毛細管現象による吸汗能力が向上、通気性により速乾性にも優れる。
さらに強烈な撚りトルクが、水溶性糸が溶けた後も残存することで、
伸縮性を持ち、ポリウレタンやPTT繊維の力を借りなくても、その素材100%でナチュラルストレッチを実現。
あらゆる短繊維でスーパー・ゼロの機能を持たせることが可能な技術です。
今後浅野撚糸はジーンズやインナー、アウターニット、ジャケット、タオルなど様々な用途開拓を進めるとしています。
タオル地製品以外の製品で各界の高い技術力を保有するメーカーとタイアップし、
各製品について1〜4社でプロジェクト組織を形成し、新製品を共同開発することを目指すのです。
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